英語の多読を始めるときの鉄則は、自分のレベルにあった(途中で止まってしまわないスピードで読み続けられるような)簡単な英語の本を選ぶことです。
では、自分のレベルにあった簡単な英語の本はどこにあるのでしょうか?
多読の本選びに最適なのが、Graded Readersと呼ばれる語彙制限本です。

私自身も簡単なレベルのGraded Readersから多読をスタートし、最終的には原書でアガサ・クリスティーやダン・ブラウンのミステリーが楽しめるようになりました。
この経験はのちにTOEIC®などの英語の試験対策をする際にも大いに役立ちました。
多読の効果やメリットについては、以下の関連記事をご覧ください。

この記事では、多読初心者に最適なGraded Readersの概要と、主要シリーズの比較、そして大人のやり直し英語に効く選び方を解説していきます。
Graded Readers 4社比較まとめ
最初に、Graded Readers 4社の内容を簡単にまとめた表をご紹介します。

シリーズ名をクリックすると、詳しい説明をしたパートに移動できます。
| シリーズ名 | 特徴 |
| Oxford Bookworms Library | 幅広いジャンルを網羅。迷ったらこれ。 |
| penguin Readers (Pearson English Readers含む) | 有名映画や小説、児童書のリライトも。 |
| Cambridge English Readers | オリジナルストーリーで読みやすい。 |
| ラダーシリーズ | 日本語のサポートが付いて安心。 |
Graded Readers(語彙制限本)とは?大人の「英語多読」に必須の理由
Graded Readersとは、英語を母国語としない学習者向けに編集された段階的な読み物のことです。
単語や文法を「レベル別」に制限しているので、自分の今の英語力にあった本から始められます。

使われている語彙がレベルによって制限されているため、初級レベルから始めれば簡単な英語のみでストーリーを楽しむことが可能です。
優しい英語の本というと、絵本や児童書を思い浮かべる人もいるかもしれません。
しかし、Graded Readersはネイティブの子供向けに書かれた本とは異なります。
ネイティブを対象とした本は、言葉遊びや文化的背景が分からないまま読むと、たとえ子ども向けであっても挫折しやすいです。また、大人にとっては内容にあまり興味を持てず、次を読みたいという意欲が芽生えてこないこともあるでしょう。
しかし、Graded Readersは違います。英語のレベルは低く抑えられていても、内容は大人向けのものもたくさんあります。
「辞書なしでスラスラ読む」多読の第一歩としては、Graded Readersは最適な教材といえるでしょう。
関連記事

多読初心者にGraded Readersがおすすめな理由
多読初心者にGraded Readersがおすすめな理由を3点ご紹介します。
多読レベルの現在位置を把握できる
Graded Readersは、使われている語彙によってレベルわけがされています。
そのため、自分がその本を読めるかどうかによって、現在のリーディングレベルをある程度把握することができるのです。

もし最初に手に取った本がすらすら読めないレベルであれば、数段低いレベルから多読を始めればOKです。
いきなり英語の原書に挑戦して挫折すると、「全く分からなかった」で話が終わってしまいます。
しかし、Graded Readersであれば、「ではどのレベルなら読めるのか」を柔軟に見極め、レベル調整をすることができるのです。
段階的に難しいレベルの本にチャレンジできるので、いきなり内容が難しくならないのもメリットが大きいですよ。
タイトルが豊富
後述する通り、Graded Readersはたくさんの出版社からリリースされています。
各社、特徴を生かした様々なタイトルの本を作っているため、幅広いジャンルの本が楽しめます。

映画の原作や、ミステリー、伝記、歴史、ノンフィクション、本当に広い範囲の本があるので、あなたにぴったりの一冊がきっと見つかるはずです。
自分の好みのジャンルの本で読書が楽しめるため、趣味の延長として英語のリーディングスキルが身についていきますよ。
大人向けの話を楽しめる
Graded Readersは、非英語ネイティブを対象とした大人向けのタイトルが豊富です。

現代社会に警鐘を鳴らすような社会派のストーリーや、一般書として大ヒットした小説の簡略版、古典名作のリライトなど、味わい深い話もたくさん用意されています。
英語の勉強を初歩から始めるというと、どうしても子ども向けの教材になってしまい、ちょっと物足りないという人にとっては、Graded Readersはかなり魅力的な存在です。
名前だけ聞いたことのある古典に触れられる
Graded Readersは、古典のリライトが豊富です。
Graded Readersを読み進める中で、今まで名前だけしか知らなかった古典の世界に触れ、知らず知らずのうちに教養が深まっていくことも多いです。

例えば、私はGraded Readersで、ディケンズの「Great Expectations」(大いなる遺産)や、ハーディの「Tess of the d’Urbervilles」(ダーバヴィル家のテス)、ブロンテの「Wuthering Heights」(嵐が丘)を読みました。
どれも名著として名高いですが、実際に読む機会も時間も(翻訳版でも)なかなかなかったこれらの本、Graded Readersなら短くリライトされており、とても読みやすくなっています。
そして、短くなっているとはいえ、どれも面白いんですよ(古い本だと侮るなかれ、ぐいぐい引き込まれました)。これが名作の力でしょうか。
Graded Readersを読むなら、これらの古典は必見ですよ。



主要なGraded Readersシリーズの特徴を比較
ここからは、主要なGraded Readersの人気シリーズを徹底比較していきます。
Oxford Bookworms Library
「Oxford Bookworms Library」は、幅広いジャンルのタイトルを取り揃えているGraded readersです。
Oxford Bookworms Libraryの特徴
・幅広いジャンルをカバー
・装丁がきれいでチープな感じがしない
・電子書籍としての配信タイトルも豊富
写実的な装丁がきれいで、チープな感じがせず、個人的には一番好きなおすすめのシリーズです。
特に古典作品のリライトが簡単なレベルからも読めるのがとても良いです。また、ガンジーやスティーブ・ジョブズ、アガサ・クリスティーなど実在の人物に関したタイトルも豊富で、ノンフィクション好きにも魅力的でしょう。
公式ページによると、260を超えるタイトルが発売されているとのことです。

「Oxford Bookworms Library」全体の検索は以下のページから行えます。検索窓にlevel〇と数字を入れて検索すると、該当のレベルのものを探せます。
例:「oxford bookworms library level 3」
Penguin Readers(ELT Graded Reader)
「Penguin Readers」は、かわいいペンギンマークのアイコンが目印のGraded Readersです。
Penguin readersの特徴
・定番の古典から映画化作品までエンタメ性が高い作品群
・Roald Dahlやムーミンなどの児童書シリーズもカバー
・Pearson English Readersも併せて種類が豊富
Penguin Readersは世界的な定番シリーズといえます。
児童書のリライトや映画化したタイトルも含まれているので、文学作品はちょっと苦手という人にもおすすめできます。
例えば、ムーミンシリーズや…。

ゴット・ファザーのノベルも読めます。

今は中古でしか手に入りませんが、「Jaws」もよかったですよ。


「Penguin Readers」全体の検索は以下のページから行えます。検索窓にlevel〇と数字を入れて検索すると、該当のレベルのものを探せます。
例:「Penguin Readers level 3」
Pearson English Readersについて
Penguin Readersは、現在『Pearson English Readers』という名称でも展開されており、地域や販路によって呼び方が異なることがあります。
二つのシリーズは、装丁の様子などが少し異なりますが、Pearson English ReadersもPenguin Readersの検索ワードで見つかったりします。
経営統合の関係など、裏には複雑な事情があるようです。ただ、Graded Readersとして読む際、この二つの違いを無理に意識する必要はないでしょう。検索するときは両方の名前で探してみると、タイトルが見つかりやすくなるはずです
なお、Pearson English Readersにもメディア化された作品のノベライズが多く含まれています。

Cambridge English Readers
オリジナリティのある読書体験を求めるなら「Cambridge English Readers」は欠かせません。
Cambridge English Readersの特徴
・既存作品のリライトではなくすべてオリジナルストーリー
・大人も満足の濃厚なストーリー展開(重たいテーマのものも)
・登場人物紹介付きでストーリーが追いやすい
Cambridge English Readersの最大の特徴は、そのストーリーが英語学習者のために書き下ろされたオリジナルのものだということです。
有名な古典作品はGraded Readersで何度もお目にかかることがあります。また、長い名作を短く簡単にまとめているため、ときに物足りなさやストーリーに唐突さを感じることもあるかもしれません。
しかし、「Cambridge English Readers」は、他のGraded Readersとのタイトルかぶりがありません。1から学習者向けに書かれているため、無理に短くまとめたという感じがないのも特徴的です。

登場人物紹介のページがあるので、内容が追いやすいのも魅力です。
中には、ちょっと強引な展開でストーリーが進むものもありますが、大人向けの重たいテーマの作品もあります。
特に読んでほしいおすすめの本が、こちらです。

アフリカ内戦で孤児となった少年のその後の運命を描いたストーリーです。気持ちはずんと重くなりますが、Level2のシンプルな英語でここまで深刻な物語を描けるのはすごいです。
また、「Cambridge English Readers」ではシリーズものも展開されています。
ミステリー好きとしておすすめしたいのは、こちらのInspector Loganシリーズです。女性刑事Loganの活躍がLevel1から楽しめます。シリーズを追うとLevel2、Level3と少しずつレベルが上がっていく仕組みもよくできているなと思います。


「Cambridge English Readers」全体の検索は以下のページから行えます。検索窓にlevel〇と数字を入れて検索すると、該当のレベルのものを探せます。
例:「Cambridge English Readers level 3」
ラダーシリーズ(Ladder Series)
「Ladder Series」は、日本の出版社IBCパブリッシング株式会社が発行している多読向けの本です。
Ladder Seriesの特徴
・日本語でのあらすじや単語リストが付いていて初心者でも取り組みやすい
・社会問題に関するタイトルも豊富
・日本文学のリライトや日本の歴史人物伝も読める
日本の出版社が発行している本なので、日本語のヒントが多いのが特徴的です。
表紙には英語に加え、日本語のタイトルも併記されています。
本の中には、日本語と英語の単語リストや、日本語で書かれたあらすじなどがついていて、内容の理解を助けてくれる仕組みです。

タイトルのチョイスも、英語圏のGraded Readersにはない独特さがあります。
特に社会問題や日本に関するタイトルが多いのが特徴的です。
読書をするには、ある程度その本が書かれた場所の文化を知っている必要があります。その点、日本を舞台にしたタイトルが読めるこのシリーズはとっつきやすいのではないでしょうか。

「ラダーシリーズ」全体の検索は以下のページから行えます。検索窓にlevel〇と数字を入れて検索すると、該当のレベルのものを探せます。
例:「ラダーシリーズ level 3」
英語多読に挫折しないGraded Readers選び方のコツ
ここからは、英語多読に挫折しないGraded Readers選び方のコツをご紹介します。
好きなジャンルのものを選ぶ
とにかく好きなジャンルのものを選んでどんどん読むのが多読のコツです。
先に紹介したように、Graded Readersは複数の出版社から、多数のジャンルのものがリリースされています。その中から、あなたの興味を引くタイトルを探すのが一番です。

もちろん、あらすじやタイトルだけではどれが良いか分からないこともあります。私も読んでみたはいいけれど思ったほど面白くなかった、という失敗は何度もありました。
しかし、失敗したら次の本に移ればよいだけです。そもそも一般的な読書でも、買った本がつまらないことなどよくあります。
多読は、「無理して読むこと」で挫折しやすいです。多読の本は、どうしても読まなければならない宿題ではありません。読み進められないのなら、潔くやめて、次の本を探しましょう。
レベルにとらわれすぎない
各Graded Readersには、レベルの目安表が付いています。
この目安表は、国際的な言語能力の指標CEFRを用いており、英検®やTOEIC®などのスコアと見比べると自分がどのレベルの本を読めばよいのかが分かるはずです。
しかし、この対応表を過信してはいけません。
ストーリーによっては、自分のレベルに対応しているはずなのにすらすら読めない本もあります。あるいは、レベルが少し上に見えても、ストーリーが面白くてどんどん読めることもあるでしょう。

大事なのは、スコアよりもすらすら読めているという感覚です。
以下に、「Oxford Bookworms Library」の多読本選びのコツを引用しておきます。
学習者のレベルに合ったリーダーを選ぶコツ
以下の条件をすべて満たしていることが基準となります。
知らない単語は1ページにつき2~3語以下であること。
1分間に8~10行のペースで読めること。
読んでいる内容の大意が理解できること。
引用元:Oxford Bookworms Library

実は私が多読を始めたときは、スコアは全く気にしませんでした。当時大学生で、高校の英文法などは一通り勉強した状態でしたが、できるだけ簡単なLevel1,2の本から始めています。
レベルが低い本から始めたことで、英文を英文として訳さずに理解するという感覚をつかみやすかったと思っています。
ネットショッピングを利用する
多読向けのGraded Readersは一般書店ではなかなかお目にかかりません。また、多読はたくさん本を読む必要があるので、お金がかかる一面もあります。
本へのアクセスとお金の問題が絡んでくると、途中で多読が中断しやすくなります。
そんな問題双方を解決してくれるのが、ネットショッピングです。
ポイントを使って買い物をしたり、クーポンやまとめ買いを利用したりすることで、簡単お得にGraded Readersを手に入れることができます。
また、電子書籍版のGraded Readersは紙の本よりも比較的手に入りやすいです。
特にAmazonと楽天はGraded Readersが紙・電子双方で買いやすいネットショップですよ。
電子書籍を使った多読のメリット・デメリットについては、以下の記事でも紹介しています。

まとめ
今回は、自分のレベルにあったGraded Readersを選ぶコツをご紹介しました。
少しずつレベルを上げながら、「訳さず読む」練習をするのにGraded Readersは最適です。
内容も面白いので、勉強を一生懸命しているというよりは、読書の趣味の延長という感覚で楽しみながらリーディング力が身についていくでしょう。

ぜひ、自分にぴったりの一冊から多読を始めてみてくださいね。
おまけ
Graded Readersで簡単な英語を読んでいるはずなのに、文章の意味を理解しづらいこともあります。それはもしかすると、英文法の基礎があやふやになっているからかもしれません。
しかし、英文法の勉強をしてから多読をするというのも回り道、下手すると文法の復習段階で挫折してしまうかもしれません。
そこで、私は「英文法の基礎である5文型を物語の中で身に付けられたらよいのでは?」と考えました。
その結果、出来上がったのが「The Three Ghosts」シリーズです。
この絵本は、一話ごとに一つの文型でストーリーが進みます。
絵で物語の流れを予想しながら、自然と同じ文型にたくさん触れられるよう構成を工夫しました。多読を始める前に英文の型がなんとなくわかるようになっておきたいという人は、ぜひご一読ください。

キャラクターや絵本作成の背景を説明した特設ページはこちらです。








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