英語の多読をするときには、次の二つの選択肢があります。
今は、電子書籍で洋書を手に入れやすい環境が整ってきています。これから英語の多読を始めようとする人にとっては、スキマ時間で簡単に洋書が読める電子書籍はとても便利なツールといえます。
一方で、電子書籍で多読をすることには、注意点もあります。
この記事では、長年多読を経験してきた著者が、電子書籍で多読をするメリットとデメリットをお伝えしていきます。
これから多読を始めようとする人や、紙の本から電子書籍に移行しようか迷っている人は、ぜひご覧ください。
英語多読を電子書籍(スマホ・Kindle端末等)でする7つのメリット
まずは、英語多読を電子書籍でするメリットを7つ紹介します。
それぞれ詳しく見てみましょう。
1.紙の本よりも価格が安いことがある
英語の多読では、洋書をたくさん読む必要があります。近くに洋書を借りられる環境がなければ、自分で購入しなければなりません。

この時気になるのが、コストですよね。
本はたくさん読みたいけれど、お金はできるだけ節約したい。そんな時に検討したいのが、電子書籍の利用です。
一般的な本であれば、電子書籍のほうが紙の本よりも安いことが多いです。
特に円安になると、洋書の価格も高くなってしまいますが、電子書籍であれば数百円で小説一冊購入できることもあります。
ただし、Graded eaders(多読の最初に読む語彙制限本)については、紙の本よりも電子書籍のほうが高いケースも見られます(※タイトルによります)ので、少し注意してください。購入時は、紙の本と電子書籍両方の価格をしっかり比較することをおすすめします。

電子書籍と紙の本、両方の値段を気軽に比較したいなら、二つの形式に対応しているオンライン書店の利用がおすすめです。
例えば、楽天グループが運営する「楽天ブックス」では、紙の本だけでなく「楽天Kobo」という電子書籍サービスの商品も検索できます。
電子書籍と紙の本が利用できるタイトルでは、両方の価格を一つの商品ページで確認できるので、よりお得な方を選ぶことができます。
また、本社がアメリカにあるAmazonでは、英語洋書の紙書籍、電子書籍どちらもとても手に入りやすいです。
Amazon内でも電子書籍(Amazon Kindle)、紙の本両方が利用できるときは、商品詳細ページに二つの価格が表示され、すぐに比較できるようになっています。

定額で電子書籍が読み放題になる「Kindle Unlimited」サービスも魅力です。読めば読むほど一冊当たりの価格が安くなりますよ。
楽天KoboとKindleのより詳しい説明はこちらからご覧いただけます。
2. 日本で手に入らない本や、古い名作もすぐ読める
海外の洋書は、電子書籍のほうが手に入りやすいことがあります。
洋書は、日本の書店には在庫がないことも多いです。そのため、紙の本で買おうとしても、「お取り寄せ」状態のまま数週間待たなければならないこともあります。
手元に届くまでかなり長い時間が経ってしまうと、せっかく盛り上がっていた「読みたい気持ち」がしぼんでしまうかもしれません。

しかも、取り寄せを待っていたにもかかわらず、結局海外でも在庫切れ→キャンセル扱いになってしまう最悪のパターンもあり得ます。
一方の電子書籍は、取り寄せで待たされることも、在庫切れになることもありません(※)。
購入したらすぐに商品がダウンロードできるので、「読みたくなった時にすぐ読める」のです。

「読書気分が最高に高まっている状態ですぐに本を読めること」は、モチベーションが大事な多読にはとても大きなメリットです。
また絶版状態の古い本でも、電子書籍版なら手に入ることがあります。クラシック作品が好きな人にも、電子書籍はおすすめです。
※配信終了のリスクなどは存在します。
3. スマホ一つでどこでも読める!「スキマ時間」に最適
電子書籍の魅力は、スマホ一つでどこでも読書ができることです。
洋書は日本の文庫本よりも厚く、サイズが大きいことが多いです。カバンの中に入れて持ち運ぼうとすると、どうしても容量を圧迫してしまいます。
また、洋書のペーパーバックは日本の本に比べて装丁が簡易的なものも多く、あちこち持ち歩いていると、紙が破れてしまったり、表紙が傷んでしまったりもしやすいです。

一方、電子書籍であれば、大量の本でも重量や傷みを気にせず、どこでも持ち運ぶことができます。
まとまった読書時間が取りにくい社会人にとっては、通勤中や昼休みなどのスキマ時間は絶好の多読タイムになります。電子書籍を利用すれば、スキマ時間ができた時にすぐ、読書に入ることができるでしょう。
さらに防水機能の付いた電子書籍リーダーを使えば、お風呂の中やシンクの近くでの読書も可能になりますよ。

4. ディスプレイ上の英語を読む練習になる(試験対策)
電子書籍で多読をすると、ディスプレイ上の英語を読む練習になります。
現代の資格試験は、徐々にパソコンを使ったS-CBT形式に移行しています。S-CBT形式の英語のリーディング試験では、ディスプレイ上の英文を読んで、解答することが求められます。
例えば、2026年現在、英検®の試験は紙の試験とS-CBT形式が混在しています。S-CBT形式は申し込める受験日の選択肢が多く、一次試験と二次試験が同日に受験できるなどメリットが多数です。S-CBT形式で受験をする場合は、電子書籍の多読により、英文をディスプレイ上で読む練習を積んでおくことは有益でしょう。

また英語圏のオンラインサービスなどを利用するときも、説明がディスプレイ上に英語で表示されることがあります。
ブラウザの翻訳機能を使えば、すぐに日本語に変換できるとはいえ、細かい規約などは原文でニュアンスを確かめたいこともあります。このようなときにも、洋書の電子書籍の多読経験が役に立つでしょう。
5. 本棚を圧迫せず、買った本がすぐ検索できる
多読でたくさんの紙書籍を購入すると、どうしても本棚が圧迫されていきます。
しかし、電子書籍には、この悩みは存在しません。
物理的な形がない電子書籍は、スペースを必要としないので、何百冊買ったとしても部屋が狭くなることはありません。

また、検索がしやすいのも電子書籍ならではのメリットです。
本棚に置いた本はよく行方不明になりますが、電子書籍であれば書名や著者名などのキーワードで検索すると、すぐに目的の本にたどり着けます。
前に読んだ本を読み返したいというときには、とても便利ですよ。
6.文字の大きさやレイアウトを変更できる
電子書籍は、文字の大きさを変更することができます。
見慣れないアルファベットが所狭しと並んでいると、どうしても読みにくさを感じてしまうことがあります。特に、近眼や老眼の人にとっては、細かい文字は見えづらいものです。本が読みにくい環境は、読書意欲をそいでしまうリスクがあります。
しかし、電子書籍の多くは、文字の大きさを変更することができます(※)。レイアウトも可変なので、自分が読みやすい形に表示を整えられるのは、大きなメリットです。

Kindleアプリには、「弱視」向けのレイアウトも用意されています。文字が大きくなるだけでなく、太くなるので、とても読みやすいですよ。
※固定レイアウトのタイトルなどは、文字の大きさやレイアウトを変更できないことがあります。
7.劣化が気にならない
電子書籍はデータなので、経年劣化することがありません。
逆に物理的な形のある紙の本は、劣化から逃れることができません。
特に廉価版のペーパーバックは、質の悪い紙に印刷がされていることもあり、長年放置しておくと紙面が変色したり、インクが薄くなったりして、次第に読みにくくなることがあります。

私も先日、約20年ほど前に購入した洋書を久しぶりに読もうと手に取ったことがありました。しかし、ページの一部の文字がとても薄くなっていて、少しショックでした。
また新しい本であっても、紙は水濡れでページがべこべこになってしまったり、破れてしまったりするリスクがあります。
いつでも同じ環境で本の内容を楽しみたいなら、電子書籍を選択するのが賢明でしょう。
ただし、電子書籍が永久に楽しめるものとも限りません。詳しくは、電子書籍のデメリット「4.サービス終了のリスクがある」をご覧ください。
英語多読を電子書籍でする5つのデメリット
次に、英語多読を電子書籍でするデメリットについても見ていきましょう。
1. 目が疲れやすい
長時間スマホやタブレットの画面で読書をすることで、目が疲れやすくなるのは電子書籍のデメリットです。
特に英語の多読では、日本語以上に集中して画面を眺めることも多いはず。知らず知らずのうちに目を酷使してしまいがちです。
適切に休憩をとったり、ブルーライトカット機能を利用して、目の疲れを防ぐ工夫をしてみましょう。

また、光の刺激を抑えた仕様になっている電子書籍端末を購入するという手もあります。
例えば、Kindle Paperwhiteは、目に優しい設計の電子書籍リーダーです。光の反射を抑えたディスプレイや色調調節機能で、紙に近い読み心地を目指して作られています。

周囲の明るさに合わせた色相調整やブルーライト抑制機能のあるKobo Claraも発売されています。

目が疲れるためスマホ読書に挫折したという人は、一度試してみてはいかがでしょうか?
2. 「読んでる感(達成感)」が少ない
英語の多読は、読めた本の物理的な量を見ることで達成感を味わえる面があります。

例えば、読書中にふっと今まで読み進めたページの厚みを見て「ここまで読んだ!」と実感する喜びは、紙の本ならではのものです。
また、多読を進めると本棚は紙の洋書でどんどん埋まっていきます。
物理的には収納スペースが狭まるというデメリットになりますが、一方では、蓄積していく洋書を見て自分の頑張りを視覚的に確認できる効果があります。
このような、多読の達成感を味わいにくいのは電子書籍のデメリットといえるでしょう。
3. 中古販売できない
電子書籍は物理的な形がないので、中古販売ができません。
もういらないと思ったとしても、メルカリで売ったり、古本屋に買い取ってもらったりすることは不可能です。
多読初期に読んでいた簡単なレベルの洋書は、英語スキルが上がるともう不要になる場合もあります。そんな時に中古販売できないデメリットは、考えておくべきでしょう。

ただ、私は、多読をやり直したくなったとき、以前使っていた簡単なレベルの洋書が必要になったことがありました。
個人的には、多読初期に使った本は残しておいた方が後からも役に立つのではないかと思います。
4.サービス終了のリスクがある
電子書籍は物理的な形がないため、配信元の電子書籍サービスが終了してしまうと、購入した作品であっても読めなくなってしまうリスクがあります。
電子書籍サービスが終了してしまったケースは、実際に過去何件もあります。そして、購入作品に対してどのような補償が行われたのかは各社によって異なりました。
購入作品がサービス終了とともに、そのまま読めなくなってしまったサービスもあります。
電子書籍は便利ですが、配信元に大きく依存するサービスであることには注意が必要です。

そのため、配信会社の規模などを確認し、できるだけ配信終了のリスクが少ないと考えられる電子書籍サービスを選ぶことが重要です。
5.辞書がすぐ引けてしまう
辞書がすぐ引けることは、一見メリットに見えますが、多読においては不要、むしろノイズになる可能性があります。
例えば、Kindleアプリで洋書を開き、分からないフレーズをタップすると、すぐに翻訳機能が立ち上がり発音から日本語訳まで親切に教えてくれます(無料の辞書をダウンロードすると、より詳しい意味が一覧で表示されます)。

しかし、この翻訳機能が便利すぎるため、分からない単語と出会うとすぐに辞書を引きたくなってしまうのです。
多読の原則の一つは、「辞書を引かないこと」です。
辞書を引くことは、ナチュラルな読書スピードを減速させ、物語への没入感を妨げる原因になります。また、分からない単語に出会うたびに辞書を引いてしまうと、単語の意味を周りの英文から推察できるようになるスキル(推察スキル)が全く育ちません。

多読によって身につく単語の推察スキルについては、次の関連記事をご覧ください。

親切な電子書籍の翻訳アシストは、多読にとっては余分な機能になりかねません。電子書籍で多読を行うときは、辞書機能に頼らないようにしましょう。
洋書が読めるおすすめ電子書籍サービス
最後に、洋書が読めるおすすめの電子書籍サービスを二つ紹介します。
楽天Kobo

一つは、楽天グループの電子書籍サービス、「楽天Kobo」です。日本の漫画や小説はもちろん、洋書の電子書籍も多数配信されています。
おすすめポイントは、電子書籍をお得に買える機会が多いことです。
時期によって、電子書籍が安く買えるクーポンが配信されていたり、ポイントアップキャンペーンが開催されていたりするので、上手に利用してお目当ての洋書をゲットしましょう。
特に、初めて楽天Koboを利用する人には、手厚いキャンペーンが実施されていることが多いです。初回登録時には、ぜひキャンペーン情報をチェックしてください。
また、楽天市場全体で実施されている楽天セールとも連動しています。楽天ユーザーならお得に本を購入しやすいでしょう。
Amazon Kindle
もう一つは、Amazonの電子書籍サービス、Kindleです。
本拠地がアメリカだけあって、Kindleで読める洋書の種類はとても豊富です。とにかくいろいろなジャンルの洋書を電子書籍で多読したいなら、Amazon Kindleを使うことをおすすめします。

Amazonで洋書多読をするなら、次の二つのサービスもぜひチェックしてください。
1.Kindle Unlimited
Kindle Unlimitedは、定額で電子書籍が読み放題になるサービスです。
このサービスを使えば、月額税込980円で対象の本が読み放題になります(2026年5月現在)。初めて利用する人は無料お試し期間がありますし、期間限定で格安のキャンペーンを利用できることもあります。
詳しくは以下のリンクより公式ページのキャンペーン情報をご覧ください。
Kindle Unlimited対象本の中には日本語の本だけでなく、多くの洋書も含まれているのでたくさん読むほどコスパが良くなります。
2.Audible
Audibleは、Amazonの音声配信サービスです。
多読と合わせて、英語をたくさん聞く「多聴」にもチャレンジしてみたいなら、Audibleの配信タイトルもチェックしてみましょう。
Audibleは、会員登録すると聞き放題になるタイトルと、別途料金を払って購入するタイトルがあります。こちらも30日間の無料体験プランが用意されているので、一度試してみてください。
電子書籍と紙の本、あなたに合った選択で多読を
この記事では、電子書籍で多読をするメリット、デメリットについて紹介しました。
多読をするときに、電子書籍がよいのか、紙の本がよいのかというのは一概に決められることではありません。
というよりも、どちらかに決める必要はないと思います。

私自身は紙の本のほうが読みやすいですが、スキマ時間に読んだり、お得に洋書を読んだりしたいときは電子書籍を選択することもあります。また、散歩中には、音声で英語の物語を楽しむこともありますよ。
このように、状況や好みに合わせて、最適な読書スタイルを選んだ方が多読は長続きするのではないでしょうか?
ぜひ、あなたに合った様々な形で多読を楽しんでください。


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