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資産型英語スキルを育てる「多読」の効果・メリット。直近1か月の勉強でTOEIC®長文が読めた!

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浦部緩

本・漫画好き、参考書好き、独学好きのWebライター。通信制大学3校に入学し、IT系・金融系・語学系など様々な資格を取得しています。保育士歴10年以上の経験を持ち、児童クラブ支援員や家庭教師、学習支援員としての経歴もあり。

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私の初TOEIC®に費やした勉強時間は1か月、それでもスコアは780点でした。

比較的短期間のTOEIC®対策でも、私が高いスコアを取得できた背景には、多読がありました。

今回は、時間がたっても腐らない資産型英語スキルを育てる英語多読の効果について紹介していきたいと思います。

1か月の対策でTOEIC780点を取得できた背景には多読があった

私がTOEIC®を初めて受験したのは、30代になってからです。

いろいろな資格の勉強経験を積んできた私でしたが、ふと振り返れば英語の資格は1つも持っていませんでした。

さて、初TOEIC®に申し込んだとき、試験日程まではたった1か月しかありませんでした。しかも、当時は仕事が忙しく、まとまった勉強時間はなかなか取れません。

メインはスキマ学習、使った教材は公式問題集と単語帳というシンプルさです。

それでも、初受験時のスコアは780点

それから6年後、私は英検®準1級と、TOEIC®にチャレンジしました。英検®準1級は2か月の勉強で一次試験を突破し、TOEIC®はその後1か月の勉強でスコアが以前の780点から820点にまで上がりました。

これらのスコアを支えてくれた英語の基礎力はどこからきたのか考えた時、私には思い当たることがありました。

大学時代にはまった「多読」です。

私は帰国子女でもありませんし、学生時代英語の成績がそれほど良かったわけでもありません。社会人になってからは、試験を受ける気になるまで、ほとんどまとまった英語の勉強はしていなかったのです。

それでも、TOEIC®、英検®受験時には、その多読で培った英語スキルが大きな力になってくれたと思います。

この記事では、そんな多読の効果やメリットを紹介していきたいと思います。

私が「英語多読」を始めたきっかけ

まずは、私が「英語多読」を始めたきっかけを軽く紹介します。

大学時代の私は、大学院進学を目指していました。院試では英語で専門的な長文問題を読む必要があります。私はこの対策に悩んでいました。

当時の私は、英語を読むのに時間がかかるという弱点を抱えていました。

大学入試でも大学の授業でも、長文を読むとき、どうしても「返り読み(英語の文全体に一度すべて目を通してから、文を行ったり来たりして訳すこと)」癖が抜けなかったのです。

英語の長文対策のアドバイスなどを見ると、「英語は返り読みをせず、英語のまま読めるようにしよう」と書かれていたりします。

しかし、そうは言われても、「英語を英語のまま読むってどういうこと?」となってしまうんですよね。

無理に英語を英語のまま読もうとすると、かえって日本語に訳するよりも時間がかかってしまう。

しかし、日本語訳を挟むとやはり読み終わるのに時間がかかってしまう。

この悪循環。

そんな時、私は、書店である一冊の本に出合いました。それが、『快読100万語!ペーパーバックへの道』という本です。

この本は要約すると、とにかく簡単な英語の本をたくさん読んで徐々にレベルアップしていけば、英語を和訳せずに理解できるようになるということが書かれていました。

私は、本当かな?という気持ち半分、とりあえず英語の多読を始めてみました。

そして、見事に多読にはまりました。

Graded Readers(英語が母国語でない外国人向けに作られたレベル別の本)を片っ端から読破し、暇さえあれば、図書館で読めそうな英語の本や絵本はないかを探す日々。

真夜中まで没頭して英語の本を読み、帰省中もGraded Readersを持ち歩いて多読を続けました。

そして、最終的には目標の英語の原書を辞書なしで読むところにまで到達しました。

結局、もろもろの事情から大学院への進学を辞めたのですが、このときにはまった英語多読の趣味がその後の人生で大きな効果をもたらしてくれるとは思ってもいませんでした…。

多読がTOEIC®や英検®にもたらした効果

英語の多読ができるようになると、英語の試験にどのような効果をもたらすのでしょうか。

実体験をもとに、考察してみました。

一語訳、返り読みからの脱却でリーディングスピードが向上

英語多読の効果の一つに、一語訳、返り読みからの脱却があげられます。

日本の英語の勉強って、単語から入ることが多いですよね。しかし、英語を単語レベルで訳す癖がつくと、「一つの単語を読んだら一つの日本語に直す」形で長文を読んでしまいがちです。

また、英語の語順は日本語と反対になっていることが多いです。

日本語は、主語の後に目的語や修飾語が続き、最後に動詞というパターンになっていますが、英語は主語の後に動詞が来ます。

そのため、英語を日本語に訳すときに、語順を日本語的に並び替えるプロセスが必要になってしまいます。

「単語レベルで日本語に訳す(一語訳)→文を見返して日本語的な表現に直す(返り読み)」という流れだと、一文を読むのにめちゃくちゃ時間がかかります。

高校の頃に私が陥っていたのは、まさにこの状態でした。

しかし、多読に慣れてくると、英語を英語のまま理解できるようになり、結果的にリーディングスピードが大きく向上します。

この感覚はなかなか言葉で説明しづらいのですが、「日本語という翻訳ステップが丸ごと飛ぶ」イメージだと考えてください。

例えば、次のような文章があるとします。

Yorozu, the mascot cat of this bookstore, likes the bookshelf which is next to the window.

多読を知らない状態の私であれば、この文章をみて、「よろず」「この本屋のマスコット猫」「好き」「本棚」「この本棚は窓の隣にある」とまず単語レベルで日本語に訳してから、「よろずは本屋のマスコット猫で、窓の隣にある本棚が好き」と日本語の語順に並び替えていたでしょう。

しかし、多読ができるようになってからは、この作業が全く必要なくなりました。

Yorozu, the mascot cat of this bookstore, likes the bookshelf which is next to the window.

と書いてあったら、単に文を最初から最後まで「日本語に訳さず」読むと、頭の中に「猫のYorozuさんが窓の隣の本棚を気に入っている映像」が浮かぶようになります。

もし、他の人に「この英文、なんて書いてあったの?」と聞かれたときに、初めて「この状況どうやって日本語にするんだっけ」と考える形です。

このようなプロセスで英語を理解すれば、当然ながら日本語に一度翻訳していた時に比べてリーディングスピードはかなり速くなります。

特にTOEIC®では、リーディングPart7の文章量がかなり多いです。この大量の英文を時間内に読み、内容をつかむとき「英語を英語のまま理解できる」力は大きな得点源になるでしょう。

単語の推察能力が身につく

リーディングスピードの向上には、「和訳完璧主義から脱却」することが大事です。

大学入試など試験英語を経験してきた人ほど、「一文を日本語に訳す」練習をしてきているのではないでしょうか。一文を完璧な日本語に訳すには、文の中に分からない英単語があってはなりません。

しかし、英語の多読では、分からない単語に出合った時に「辞書を引かない」ことが大事になってきます。

辞書を引きすぎると、集中力が乱れて読書体験の邪魔になります。

もし分からない単語が出てきたとしても、前後の「分かる部分」からだいたいストーリーの流れがつかめていれば、どんどん進めてOKです。

このプロセスを繰り返すと、そのうち「この文脈から言うと、この単語ってだいたいこんなイメージだろう」という風に推察できるようになってきます。

なお、多読の原則では禁止されている辞書引きですが、私は本の読み終わりに「多分こんなイメージなんだろう」と推察できた単語は、一度辞書を引いて答え合わせすることがありました。ポイントは、本を読んでいる最中ではなく、読書後にすることです(読書中の単語メモも集中力を乱すのでおすすめできません。あくまで、読書タイムが完全に終わった後を心がけるといいですよ)。

推察結果が辞書の意味と近いと、なかなかうれしいものです。こうして答え合わせがうまくいった単語には親しみが生まれ、忘れにくくなるという利点があります。

この分からない単語の意味推察能力が付くと、リーディングの最中にわからない単語が出てきてもパニックになることが少なくなります。

特に英検®準1級では、少し学術的な話題やミニ論文のようなリーディング問題が出題されがちです。文章の中には、意味が分からない英単語もたびたび出てくるでしょう。

しかし、多読に慣れていれば、文章全体の意味をつかむことで、分からない単語の推察ができるようになります。英検®は問題の内容も文全体の意味をつかめば解けるものが多いので、単語推察能力がかなり活かせるはずです。

多読の経験を積むことで「きちんとした日本語にできずとも、だいたいのイメージでも英文を読み進めることができる」ことも分かってきますよ。

多読はリスニングへの効果もある

多読というと、リーディング特化対策に見られがちですが、実はリスニングにも効果があります。

これは、「逐一訳さないでも英語は英語として理解する」というスキルがもたらしてくれるメリットです。

リスニングは、リーディング以上に英語を理解するときのスピードが求められます。

リーディングなら読み返しができますが、リスニングの場合はこちらの都合で音を巻き戻すことはなかなかできないからです。

しかし、多読が身についてくると、話者が話すペースに合わせて、言っていることを理解できるようになります。リーディングもリスニングも必要なスキルの根本原理は同じ、「英語を英語のまま理解すること」だからです。

ただし、多読とリスニングには相互効果はあるといえますが、多読さえしていれば必ずリスニング対策ができるというわけでもありません。

文字と聞こえてくる音の間にはやはり乖離があるので、文字と音を対応させるための練習(多聴)はするべきだと思います。

TOEIC®や英検®では、リスニングの試験形態に独特のパターンがあるので、試験に臨む際はそれらに慣れておく必要もあるでしょう。

例えば、bookという言葉を見て意味を理解できても、音としてどう聞こえるのかが分かっていなければリスニングで高得点は取れません。カタカナ英語の発音に慣れてしまっている日本人にとっては、単語の発音が思っていたものとは違うということはよくあります。そのため、英語の見た目と音を結びつけるためにたくさん英語を聞く必要があります。

なお、多聴のときも、多読のノウハウはそのまま使えます。「ストレスなく理解できるレベルの単語で話されている会話や朗読」をたくさん聞くのです。

ある程度意味の分かる会話や朗読を聞くことで、聞き逃した音や意味の分からない単語も前後の内容から推察できるようになっていきますよ。

知識ではなく資産としてのリーディング力が身につく

私が実感している多読の最大のメリットは、資産型のリーディング力が身につくことです。

「この単語はこういう意味なんだ」という知識は、しばらく勉強しないと忘れやすいです。一方、「英文はこう理解するんだ」というスキルとしてのリーディング力はしばらく英語から離れていても、衰えません。

前述したとおり、私は大学時代に多読にはまり、卒業後もペーパーバックを読むなどしていたのですが、フルタイムで仕事をしだしてからは忙しくなり、結局多読から離れてしまいました。

ときおり、「多読を再開したい」と思いつつも、なかなか時間が取れずにいたのです。

たまにGraded Readersの簡単な本を数冊手に取ることはありました。しかし、以前ほどサクサク読めるという感覚はなくなっていました。簡単な本の中にも意味を忘れている単語を見て少しショックを受けたりもしました。

結局のところ時間に追われ、以前のようにたくさんの冊数を重ねることができず、放置してしまうことを繰り返していました。

そんなある日、初TOEIC®の受験を思い立ったのです。熱中して多読をしていたころから、だいたい8~10年ぐらいは経っていたでしょうか?

しかし、TOEIC®の公式サイトでサンプル問題を読んだとき、案外読めてしまう自分に気が付いたのです。勉強期間が約1か月しかないのにテストの申し込みをしたのも、この読めてしまう状況があったからです。

実はTOEIC®には、試験独特の難しさがあり、よく出る単語や各パートを戦略的に攻略しなければならない部分がありました。そのため、あとで公式問題集を見て慌てたのですが、頻出単語とパートごとの戦略を1か月で何とか整えた結果、初受験で780点というスコアを取得できました。

それから約7年後、私はもう一度TOEIC®を受験しようと思い立ちました。

この時は、事前の2か月で英検®も受験していました。結果的に英検®準1級は約2か月で一次試験を突破し、TOEIC®は約1か月でスコアが820点まで伸びました。

英検®受験を決めるまで、英語にはかなりのブランクがありました(時々単語のリスニングをするぐらい)。多読も再開をしようとしたものの、結局は頓挫していた7年間でした。

しかし、いざ試験対策に英語の長文を読まなくてはならない、となったとき、なんだかんだで私は英語を英語のまま読めていました。長いブランクを経ても高校時代のように返り読みに戻ることはなかったのです。

この経験から、私は、多読で身についた「英語を英語のまま理解する力」はブランクがあっても消えることがないのだと実感しました。

多読で身についたのは、忘れたり覚えたりするような知識ではなく、英語を訳さず理解できるという資産型のスキルだったのです。

自転車に乗れるようになった人は、長い間自転車に乗らなくても、自転車の乗り方を忘れないのと同じですね。

多読がもたらした人生へのメリット

多読は、「英語の試験で使えるリーディングスキルを飛躍的に伸ばせる」という効果があります。

一方で、人生の娯楽という側面でも大きなメリットがあります。

日本語版が手に入りにくい本でも購入しやすい

まず、原書が読めるレベルに達すると、日本では絶版になっていたり、まだ発売されていなかったりする本でも読書可能になります。

例えば、スティーブン・キングは日本でも有名な作家ですが、過去作の和訳版は絶版状態になってしまっているものもあります。

スティーブン・キングがリチャード・バックマン名義で執筆した『Thinner』(邦題:『痩せゆく男』)という作品、これは2026年5月現在、日本では新品で手に入れることができない状態になっています。

しかし、これが原書の英語版であれば、Amazonで電子書籍として購入することも、新品のペーパーバックを購入することも、Audibleで朗読を楽しむことも可能です。

Amazon.co.jp: Thinner: from No. 1 bestseller Stephen King writing as Richard Bachman (English Edition) 電子書籍: Bachman, Richard, King, Stephen: 洋書
Amazon.co.jp: Thinner: from No. 1 bestseller Stephen King writing as Richard Bachman (English Editio…

とくに電子書籍版だと、洋書は比較的安く手に入ることが多いです。

海外小説が好きという人にとっては、英語を読めること=読書体験を広げてくれることに直結しますよ。

自己肯定感を高め、最高の読書体験を与えてくれる

また、「英語を原書でスラスラ読める」というのは、かなり自己肯定感を高めてくれます。そして、強い没入感と最高の読書体験も与えてくれるのです。

特に私は、20代のころ、多読にとても救われた経験があります。

当時、私は病気で昼夜が完全逆転し、フルタイムで働けない時期がありました。

実家の経理の仕事をしていましたが、帳簿は赤字で、改善の方法を発見することはほとんど絶望的に見えました。このまま放置すれば、数年で一家での生活は立ち行かなくなりそうでした。

そんなある日のことでした。私は午前二時ごろに、Agatha Christieの『And Then There Were None』(邦題:『そして誰もいなくなった』)を読んでいました。

日常的にはどん底な状況にもかかわらず、その時私は今までにない幸福を感じていました。

このころ、私の多読のスキルは大きく向上しており、英文は頭の中にすらすら入ってきていました。

英語が読めているという知的興奮とないまぜになったストーリーの面白さが、私に今までの読書では感じえなかった没入感をもたらしてくれました。

ページをめくる手は止まらず、私はとても幸せでした。

今でも、人生を振り返って幸福だった時を数えると、あの時の真夜中の読書経験がふとよみがえってくることがあります。

多読は、英語の試験のスコアを向上させるという面でもメリットがあります。

しかし、私が多読を最もおすすめしたい理由は、人生を幸せにしてくれる一要素になりえると思っているからです。

多読で育つ資産型英語スキルは試験にも人生にもメリットをもたらす

この記事では、多読によるメリットや効果について紹介しました。

一度多読で「資産型英語スキル」を身に付けておけば、たとえブランクがあっても、必要なときにこのスキルを引き出すことができるようになります。

英語のやり直しをしたいと思った時、英語が英語のまま読めるようになっておけば、TOEIC®や英検®の勉強はとても効率的に進みます。

そして、多読は、人生を充実させてくれるものでもあります。

英語を英語のまま理解し、洋書を洋書のままで読むという体験は、今までの読書体験とはまた違う独特の没入感を味わわせてくれるでしょう。

興味を持った人は、ぜひ、多読に挑戦してみてください。

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