人生はなかなかしんどいものです。仕事に、人間関係に、生活に悩んで、泣きたい日もありますよね。
そんなとき、そっと寄り添ってくれるのが癒し漫画です。漫画なら、出かける気力もないときにでも自宅でゆっくり楽しめます。
今回は人生に疲れた時に読むおすすめの癒し漫画を12作品紹介します。
ほんわかした作風のものから、しんどい気持ちを真正面から受け止めてくれる作品まで、あなたの状況に合わせた逸品を選んでみてください。
ほっと一息できる四コマ系癒し漫画。
まずは、ほっと一息つける癒しの四コマ漫画からおすすめの2作品を紹介します。ちょっとした時間に癒しを供給できるので、毎日忙しい人にもおすすめですよ。
お文具といっしょ
『お文具といっしょ』は、Twitter(現X)発祥の癒し漫画です。
お文具さんという白いテルテル坊主のようなキャラクターが、日々頑張っている人、疲れている人を癒してくれます。以下の動画を見て、フィーリングがあった人はぜひコミックも手に取ってみてください。
初期はお文具さん単体ののんびりした癒し四コマ漫画が展開されていました。
傷ついた人の気持ちに寄り添うような心のばんそうこう的な話が多かったですが、巻が進むごとにキャラが増えてきて、5巻ぐらいからは「プリンさん」「名も無きものさん」「猫さん」「ゼリーさん」「子猫さん」のレギュラーメンバーで、ストーリーを回しています。
その分展開も多彩になって、ほのぼのした明るい話も増えています。
人生に疲れた時に読む漫画にふさわしい、ほんわかとした雰囲気が特徴です。

フルカラーコミックなので、イラスト集的な楽しみ方もできますよ。
ねえ、ぴよちゃん
『ねえ、ぴよちゃん』は、新聞連載の四コマ漫画を集めたコミックです。
主人公は小学生の女の子、ぴよちゃん(本名:花乃 ひよこ)。ぴよちゃんを溺愛する飼い猫の又吉とのほんわか日常生活が描かれています。
家族や友達との何気ないやり取りに懐かしさを感じ、癒される人も多いのではないでしょうか。
特に、ぴよちゃんが好きすぎてツンデレムーブをしてしまうひみこちゃんは、傍から見ていてもニヤニヤしちゃうかわいさです。!

また、元野良猫の又吉の周辺猫たちにも注目です。
又吉は顔が広く、女の子(雌猫)にもモテていますが、その様子が気に入らないボス猫、ニャブーのほほえましいジャイアンムーブも魅力的。その他、いろいろな猫と飼い主が登場するので、猫好きにはよりおすすめの癒し漫画ですよ。
ザ・平和。とにかくほんわかしたいあなたにおすすめの癒し漫画!
ここで紹介する作品の世界観は、平和そのもの。現実でのしがらみやしんどさを一度ぱーっと忘れて、とにかくほんわかしたいという人におすすめの、超癒し漫画をご紹介します。
姫様”拷問”の時間です。
『姫様”拷問”の時間です。』は、タイトルからは想像もできないほど、超平和な世界観が魅力のおすすめ癒し漫画です。
戦争中の人間界と魔界。そのさなかで捕虜になった姫様は、魔王軍所属の拷問のプロ、トーチャーから毎日拷問を受けることになるのですが…。魔界の拷問は人間界のそれとはちょっと違うようで?!
定番のおいしい料理責めから、かわいい犬猫、友達との遊園地、そして子どもたちとの触れ合いまで、癒しと笑いがたっぷり詰まった拷問があなたの日々の疲れをいやしてくれる漫画です。
また魔王様があまりにホワイト上司、理想の旦那、パパ過ぎて堕ちる人が続出。
発表元の漫画アプリでは、魔王城に転職希望する人でコメント欄がいっぱいになる現象が度々見られます。

魔王様は、人気投票でも上位にランクインしていますよ。
あたまを空っぽにして楽しめる、まさに人生に疲れた時に読む漫画にふさわしい名作です。

なお、私のおすすめはプロハムスターが〇〇を作る回です。10巻に収録されています。
赤ずきんチャチャ
『赤ずきんチャチャ』は、ドジっ子魔女見習いのチャチャが巻き起こす騒動を描いたゆる~いファンタジー漫画です。
掲載誌が少女漫画の「りぼん」だったこともあり、狼男のリーヤや同じ魔法使い見習いのしいねちゃんとの三角関係、師匠サイドの恋愛関係などもからんだドタバタが描かれています。
魔法や魔界など、バトルっぽい要素が登場するものの、実際はほとんど悪役がいない平和な世界で話が進行します。
※ちなみにアニメ化版は、内容が原作とかなり異なっており、魔法少女のバトルものに改変されたことでも有名です。
『赤ずきんチャチャ』は、大人サイドに個性的な人物が多く、特にチャチャの師匠であり世界一の大魔法使いセラヴィーの屈折ぶりは、一周まわってすがすがしく見えるかもしれません。
自分の心のままにふるまうキャラクター達を見ていると、自分の悩みがばからしくなってくるかもしれませんよ。

明るめの癒し漫画を求めている人には、おすすめの作品です!
阿波連さんははかれない
『阿波連さんははかれない』は、独特の距離感を持っている阿波連(あはれん)れいなさんとクラスメイトライドウ君の、くすっと笑えて、ときにきゅんとくる交流の様子を描いた作品です。
小さくて物静かな阿波連さんは、うまく自分の気持ちを言葉にできなかったり、友達との距離感を間違えてしまったりして、周りから誤解されてしまうことも。また一生懸命に挑戦したことでも、相手に迷惑をかけているのではないか、と自信なさげにしています。
しかし、ライドウ君はそんな阿波連さんの気持ちをしっかり受け止めてくれます。ライドウ君もまた、ちょっと変わったところのある独特の価値観の持ち主。巻が進むごとにその変人ぶりがエスカレートしていくのも、見どころです(笑)。

阿波連さんとライドウ君、二人ながらの不思議な空間は、読者に大きな癒しを与えてくれるはずです。
二人を見守るクラスメイトの目線も暖かで、「優しい世界」に癒されたいという人にはとてもおすすめできる漫画ですよ。
しみじみ~とストーリーに癒されたい人へおすすめの癒し漫画
次に紹介するのは、ストーリー性を楽しみつつ、しみじみと癒される漫画3作品です。
お茶にごす。
『お茶にごす。』は、『今日から俺は!』の西森博之が送るハートフルコメディです。
顔の怖さからデビルまークンと呼ばれ、恐れられる日々を送っていた船橋雅矢は、高校入学を機に平和な生活を送りたいと願っていました。そんな彼に声をかけたのは、茶道部部長の姉崎奈緒美。優しい彼女のような人間になりたい、そんな思いを抱き、船橋雅矢の茶道部生活が始まるのですが…。
彼の見た目に臆せず接してくれる部長との交流を見ていると、温かいお茶を飲んだ時のようにほっこりした気持ちになります。
また、雅矢の友人・山田や、茶道部の同級生・夏帆など登場人物たちの心の動きが繊細に伝わってくるのも大きな魅力です。
笑えるシーンも多々ありますが、本書の最もおすすめなポイントは「優しい気持ちになれる」ところ。

笑って感動できる癒し漫画、ぜひ最終巻まで読んでみてください。
かくしごと
『かくしごと』は、アニメ化、映画化もされたシングルファザーと娘のハートフルコメディです。
下ネタギャグ漫画家の後藤可久士(ごとうかくし)は、溺愛している一人娘・後藤姫(ごとうひめ)には自分の職業をひた隠しにしています。ばれそうでばれない漫画家父と小学生娘のドタバタ日常と、漫画家あるあるなコメディストーリーが本作の主軸です。
一方、各コミックス冒頭には姫が18歳になったときのストーリーがカラーページが挿入されています。シリアスな表情の姫のそばには、どうやら父がいないようですが…。
姫が小学生から18歳になるまでに、いったい何があったのか。主軸のコメディパートを読み進めながら、その謎に迫っていく展開はなかなかスリリングです。
最後に明らかになる父と娘の秘密、そしてその後のストーリーも必見のおすすめ癒し漫画です。

姫ちゃんの(父が溺愛するのも無理はない)純粋な言動には本当に癒されます!
徒然チルドレン
『徒然チルドレン』は、初々しい高校生の恋愛に癒される作品です。
この作品には明確な主人公が存在せず、とある高校の生徒と先生がかわるがわるラブコメの主役になっていきます。
明るく元気な子もいれば、大人しくて自信がない子、体形を気にしている子、オタクな子などなど、様々なタイプの高校生(と先生)たちが、登場するのが魅力です。きっと応援したくなる恋が見つかるはずです。
好きだけど言い出せない、気持ちが近くなって離れ、またくっついていく様子には、もどかしさを感じさせつつ、ほっこりさせてくれる温かさがあるでしょう。
また恋愛だけでなく、友達同士、先輩同士のきずなが深まっていく様子にも心が温まる癒し漫画です。

後半の文化祭編は特に必見です。
なお、主な形式は四コマ漫画ですが、後半に行くほどストーリー漫画的な展開になってきます。ラスト二、三巻は一気読みをおすすめしますよ。
ヘビーな状況を乗り切りたいあなたにおすすめの癒し漫画
最後に、ヘビーな状況を乗り切りたいあなたにおすすめの癒し漫画を3作品紹介します。
動物のお医者さん
『動物のお医者さん』は、西根公輝(にしねまさき:通称ハムテル)とその友人二階堂がH大学獣医学部に入学し、獣医師を目指す話です。
この漫画には、大学ならではの試験のしんどさや、将来への悩み(就職か大学院進学か、あるいは開業か)、就職難という話題も出てきます。また研究室間、教授間の軋轢や研究の資金不足に悩む描写もあります(発表が1988年と古いので、今と少し事情が違う面もありますが)。また主題上、ペットの病気も避けて通れないテーマです。
このように書くとシリアスな物語に見えるかもしれませんが、実のところ本作はカラッとした読み心地のあるコメディなので、安心して読んでください。
獣医学部と西根家の個性的な人々、そして周辺の動物たちによって、この漫画には人生に疲れた時に読む漫画にふさわしい癒し系のムードがあふれています。
アフリカにかぶれた変人・漆原教授を筆頭とした教授陣や同級生も曲者ぞろいで、これに対する主人公ハムテルの達観した様子も笑いを誘います。

なお、この漫画では、動物たちの気持ちは文字(ただし吹き出しに入っているセリフではなく)で表されており、人間たちに対するちょっとしたツッコミやボケになっています。犬や猫が好きな人には特に楽しめる内容になっていますよ。
高校生家族
『高校生家族』は、父母、妹、そして飼い猫と一緒に高校生になってしまった家谷光太郎(いえたにこうたろう)の波乱万丈の高校生活を描いた作品です。
この作品では、普通の高校生・光太郎、天才小学生の妹・春香、脱サラ高校生の父・一郎、主婦JKの母・静香、そして猫高校生・ゴメス、それぞれにスポットが当たるたび、話のジャンルがちょっとずつ変わっていく面白さがあります。
癒しを求めている人に特におすすめしたいのが、父・一郎と母・静香の中年高校生が主役のストーリーです。
一郎は学歴のない中、たたき上げで係長まで出世した一家の大黒柱です。しかし、45歳になった一郎は会社を辞め、ずっとあこがれていた高校生になるのでした。
中年ながら驚くべき身体能力でバレー部の主力になる一郎の姿は笑いを誘いつつも、「年齢も肩書も立場も関係ない」という妙な感動を与えてくれます。
また、主婦の静香も、意欲満々な高校生に。年齢を気にせず、飛び込みや自転車など、様々なことに挑戦する姿はまぶしく輝いており、40すぎとは思えないほどかわいいです。

現状を変えられない人、年齢や立場に縛られて身動きが取れなくなっている人には、ぜひおすすめしたい癒し漫画です。
より詳しく本作を紹介した個別記事はこちらから読めますよ。
ラーメン赤猫
仕事がストレスフルで人生に疲れている時読む漫画として、特におすすめなのが、『ラーメン赤猫』です。
ブラック企業から退職した社珠子(やしろたまこ)が、バイトを始めたのは猫が働くラーメン屋。このラーメン屋は、店長も経営者も、店員も猫(プラス虎)。珠子は猫たちの働く生き生きした職場で、元気を取り戻していきます。
ラーメン赤猫の設定は一見ファンタジックですが、「猫にとって毒であるねぎは使わない」「労働契約がしっかりしている」など、しっかりした背景があるので、どこか現実感があります。
炎上系のYouTuberや猫だからと見下してくる客、珠子のブラック企業の描写、新しい職場になじむまでの緊張感など現実のしんどさを反映しているところもありますが、最終的には猫たちがしっかり癒してくれるので、明日への元気をもらえます。

個性豊かな猫メンバーの描きわけも素晴らしく、あなたの推し猫がきっと見つかるはずです!
また、『ラーメン赤猫』はアニメもおすすめ!OPもEDも曲がばっちり作品にあっていて、最高に癒されますよ(心が疲れた時に聞くとちょっと泣けてしまうかもしれません…)。
夜廻り猫
つらい状況にいる時は、明るい話が全く頭に入ってこないことがあります。コメディ漫画の登場人物にすら「そんなに能天気でいいなあ」と嫉妬してしまうことも…。
そんなときに一度手に取ってほしいのが、この作品です。
『夜廻り猫』は、夜廻りパトロールをする野良猫・平蔵のお話です。
「泣く子はいねが~」の声掛けをしながら、涙のにおいを嗅ぎつける平蔵は、悩みを抱えた人たちにそっと寄り添ってくれます。
この作品には、孤独や貧困、病気など非常に深い悩みを抱えている人がたくさん登場します。
カウンセラー役の平蔵自身も日々の空腹と危険に身をさらしています。そして平蔵が拾って育てている子猫の重郎は鳥に襲われ、片目がありません。
そんな厳しい状況の中にいる人たちが、寄り添いあい、語り合い、つかの間でも安心している姿に励まされる人も多いはずです。

芯から人生に疲れた時に読む漫画として、おすすめです。
まとめ
以上、人生に疲れた時に読む漫画のおすすめ作品12本を紹介しました。
読みたい癒し漫画は見つかったでしょうか?
同じ癒し漫画といっても、サクッと読めるもの、ほのぼのするもの、何も考えずに楽しめるもの、感情移入しながら読めるものなど、様々なジャンルの漫画があります。
人生に疲れた理由によっても、合う漫画、合わない漫画があるでしょう。本記事を参考に、自分に合った癒し漫画を見つけてもらえたらうれしいです。
また、癒し系とは真逆の鬱漫画を紹介した記事もありますので、よかったらご覧ください。
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